学校法人浅川学園 認定こども園 ひかり園

ひかりえん

園長室より

2019年を振り返って

まずはじめに、10月の台風19号で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復旧、復興をお祈りするとともに同じ地域に暮らす一員としてわずかでも皆様のお心に寄り添っていければと考えております。少しでもお役に立てればと思い、数名の職員が親戚、知人等の地域でお手伝いをさせていただきました。

県内外から多くのボランティアが駆け付け懸命に作業する姿を見て、私もできるところからと思い、軽トラボランティアに参加しました。画像からは伝わってこない現地の臭い、泥水を吸い込んだ畳や布団などのずしりとした重さなど、どれも想像以上の重労働でした。その大変さの中でも活動の原動力となったのは人と人とのつながりだと実感しました。一人では運搬できないので助手席に初対面のボランティアとペアを組みます。初めのペアは名古屋から来た青年で、各地で知り合ったボランティア仲間と知人宅に泊まって作業しているとのことでした。2回目のペアは、厚木から50人を超える団体でやってきたスリランカ人でした。男女を問わず陽気で、体力にものを言わせて土嚢をポイポイ投げ入れる様には驚きました。もっとびっくりしたのは、私より1日早く現地入りしていたので、土嚢の場所や道路をよく知っていて「そこの角を右ね」などと道案内までしてもらったことです。国籍、地域を問わず困っている人がいれば駆け付けて力になるという心意気がありがたかったです。

本園の子どもたちも、異年齢交流の経験から年上の子が年下の子に自然と気を配り、年齢に合った遊び方や言葉をかけることが増えてきました。初めは大きいお兄さん、お姉さんが部屋に入ることに抵抗を感じていた未満児でも、繰り返し話しかけたり、身の回りの世話をしたりすることで心を開くことが多くなりました。また、保護者や公民館、地域の方に入っていただいた自然散策、ワクワククッキング、折り紙教室、しめ縄教室など多くの知恵と技、考え方などを学ぶことができました。今後も地域の皆様に支えられ、大きく成長する子どもたちの”ひかる姿”を全力でサポートしていきたいと思います。2020年が皆様におかれましてもよい年になることを切に願います。よいお年をお迎えください。

子どもの力と考えを信じて待つひかり園

0歳から5歳児まで合計148名の園児で2019年度がスタートした。今までの2年間で、幼児の可能性について多くの事を学ばせてもらった。子どもと大人、生まれてからの経験は大人の方がはるかに多いが、発想や感性という点ではほとんど変わらないか、むしろ子どもの方が優れていると言っても過言ではない。

「えんちょうせんせー」と登園直後に遠くから駆け寄ってきてくれる子ども達の笑顔を見ると自然と顔の筋肉が緩んでほころんでしまう。私への声のかけ方が発達段階によって異なるのがおもしろい。初めは「園長先生、一緒にあそぼ」だが段々心得てくると「園長先生、外で遊びたいのでお願いします」に変わってくるのだ。

0歳児(ひよこ組)は言葉にはならないが、見るだけで泣き出す子、ご機嫌でにこにこ顔の子と反応は様々だ。1歳児(ことり組)ともなると自力で歩けるのでお気に入りの本や玩具を持ってだっこしてくる子が多くなる。2歳児(りす組)はさすがに言葉数が増えるので会話が成り立ち、給食を一緒にとると、ついつい話が伸びて食べるのが遅れてしまう。

年少児は4月に送ってきた保護者と泣いて別れていたのが嘘のように、荷物を片付けるのもそこそこに登園後すぐにウサギやカメを追いかけている。ウサギのお気に入りの場所や追いかけ方もうまくなり、私がいなくても「園長先生、ウサコ小屋に入れておいたよ」と得意げに報告してくれる。年中児は年少児の面倒を見たり、雑巾がけなど年長児の行動を真似たりして活動量はぐんと増える。中には私が錐で板に穴を空けていると一緒に揉み込んで、予想以上に早く貫通させるくらい行動的な子もいる。年長児は体操の列からはみ出す子に優しく手を貸したり、「それはカメムシと言って臭いんだよ」などと公園で見かける虫の名前や習性を未満児に教えたりと何事に於いても頼もしい存在である。

子どもは生まれながらに探究心、コミュニケーション能力、協同性、優しさなど生きていく上で大切な力を身につけている。それがいつ、どのように表出するか一人一人異なるので保育者が観察し、タイミングとアプローチの仕方を考えなければならない。

鋸や錐を園児に触らせるのは本来危険であるが、安全を確保し、手順に沿って指導すれば一人前の仕事ができる。前出の年中児は「もうちょっとで空くよ」と貫通間近を予測し、空いた途端「ヤッター!」と満面の笑顔で達成感を味わっていた。昨年度、鋸で木の枝を何本も切った年長児は、友だちに「こうやれば楽に切れるよ」とコツをアドバイスしていた。園児を一人前の人間として見て、可能性を信じて行けばどこまでも伸びる力があるという一端を見た思いである。これからも子ども達の「◯◯やりたい」を大事にして実現に向けて少しでも援助したい。

運動会エトセトラ

◯9月 29日に予定した運動会がリズム、組体操のみの発表で園児、保護者、職員全ての関係者にとって不完全燃焼で終わってしまった。40年近く小学校運動会に携わって常に天候の変化に気をもんできたが、今回も同様であった。今は昔に比べ、気象情報が詳しく精度も増しているはずだが当日の判断は難しかった。

◯子どもにとっては練習の段階で、技の名前を考えたり、ダンスグッズを制作したり、修正点を話し合ったりして発表の何倍もの時間を費やしてきているので当日は一連の活動の一コマにあたる。その一コマが保護者、地域の方にとっては窓口の大部分であるので競技を見る見ないはウエイトが必然的に大きくなる。

◯10月4日に年長児が、ケアセンターを訪問して利用者のお年寄りと交流をしてきた。運動会ではできなかったマーチングと室内用にアレンジした組体操を披露して大きな拍手をもらい、子ども達も満足げないい表情だった。自分たちで満足するだけでなく、他人に認められることは次への意欲につながる大事な過程だという典型的事例だ。その後の交流会では、名前の紹介や肩もみ、プレゼントされた手作りけん玉の披露などお年寄りの表情が温かくなる場面が随所に見られた。

◯10月23日運動会本番でできなかった種目と、開閉会式や種目説明のアナウンスも含めてミニ運動会として開催した。平日開催であったが休日と変わらないくらいの保護者、来入園児を含め多くの観客に見守られて力一杯演技することができた。競技だけでなく、名前紹介、説明のアナウンスも堂々として立派にできた。一ヶ月近くも遅れた運動会ではあったが、どの子もその場の表現を楽しんでいたように見えた。年長児は特に最後の運動会ということで思いも一際強いものがあるだろう。園児、観客、支えていただいた役員、職員全ての方に感謝したい。

 

 

好きなことをやりたいだけやれる環境と対応を考える

◎バスケットのアニメが好きなS君はバスケットボールが大好きだ。私が出勤すると、S君が開口一番「園長先生、バスケの試合しよう」と誘ってくれた。初めはフラフープの輪っこを両手で持って、リクエストに合わせて高さを変化させていたが、残念ながら腕が疲れて長続きしない。
そこで楽をしようと考えたのが輪にスズランテープを付けただけの簡単な壁掛けバスケットゴールだが、男の子を中心に飽きずに何度もシュートして楽しんでいる。ただ同じことを繰り返すだけでなく、年長児は少し離れた場所からのシュートを楽しみ、年少児は台に乗って入れるだけで満足している。それでも入れられない年少児のHさんには年長のY君が特別に低いゴールを用意してくれた。

◎1対3のキャッチボール
子どもによって遊びの好みと段階が異なるが、ボール遊び一つをとってもアンダーパスが好きなSさん、そこへまだ近くのキャッチボールしかできないKさんとM君が加わる。順番に受けてはいたがローテーションがうまくいかず、一遍にボールが3個飛んできて、私の顔に当たると一斉に笑っている。子ども同士で遊ぶ面白さが分かるまでのつなぎが園長の役割と思い、リクエストがある限りは応えたい。
《園長の膝で一休み》
ひかり園には園長室という部屋はない。事務室の隅の机がいわば園長室である。朝の登園で保護者との別れで切ない気持ちになったとき、友達との考えの食い違いでケンカしたとき、転んですりむいたとき、すぐには立ち直れない時がある。
そんなときは、無理せず園長の膝に座って一休みしていけばいい。

◎I君の思い出話
夏休み明け数日間の登園は、直ぐにはお母さんから離れられないI君。後追いして涙ぐんでいたが、園長膝で数分泣くと気が済んだのか、お出かけ先のイベントや遊びの内容など休み中の思い出話をするうちに笑顔が戻ってきた。程なく部屋へ戻って友達と合流できた。

◎HaさんとSaさんの鍵盤ハーモニカ演奏
運動会に向けて年長児は組体操やマーチングの練習に熱が入っている。鍵盤ハーモニカ演奏も時間が長くなっているので簡単には最後まで続かなく苦戦している子も多い。HaさんとSaさんも同様で登園してからも二人で合わせて練習していた。
Saさんが「園長先生聞いて」と二人で事務室に入って演奏を始めた。目で合図をしながら始めたが、時々止まると、「私が止まったらそこで待っててまたやろう」と何度も挑戦してどうにか最後まで演奏しきると「また聞いてね」と満足そうに出ていった。

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