◎バスケットのアニメが好きなS君はバスケットボールが大好きだ。私が出勤すると、S君が開口一番「園長先生、バスケの試合しよう」と誘ってくれた。初めはフラフープの輪っこを両手で持って、リクエストに合わせて高さを変化させていたが、残念ながら腕が疲れて長続きしない。
そこで楽をしようと考えたのが輪にスズランテープを付けただけの簡単な壁掛けバスケットゴールだが、男の子を中心に飽きずに何度もシュートして楽しんでいる。ただ同じことを繰り返すだけでなく、年長児は少し離れた場所からのシュートを楽しみ、年少児は台に乗って入れるだけで満足している。それでも入れられない年少児のHさんには年長のY君が特別に低いゴールを用意してくれた。
◎1対3のキャッチボール
子どもによって遊びの好みと段階が異なるが、ボール遊び一つをとってもアンダーパスが好きなSさん、そこへまだ近くのキャッチボールしかできないKさんとM君が加わる。順番に受けてはいたがローテーションがうまくいかず、一遍にボールが3個飛んできて、私の顔に当たると一斉に笑っている。子ども同士で遊ぶ面白さが分かるまでのつなぎが園長の役割と思い、リクエストがある限りは応えたい。
《園長の膝で一休み》
ひかり園には園長室という部屋はない。事務室の隅の机がいわば園長室である。朝の登園で保護者との別れで切ない気持ちになったとき、友達との考えの食い違いでケンカしたとき、転んですりむいたとき、すぐには立ち直れない時がある。
そんなときは、無理せず園長の膝に座って一休みしていけばいい。
◎I君の思い出話
夏休み明け数日間の登園は、直ぐにはお母さんから離れられないI君。後追いして涙ぐんでいたが、園長膝で数分泣くと気が済んだのか、お出かけ先のイベントや遊びの内容など休み中の思い出話をするうちに笑顔が戻ってきた。程なく部屋へ戻って友達と合流できた。
◎HaさんとSaさんの鍵盤ハーモニカ演奏
運動会に向けて年長児は組体操やマーチングの練習に熱が入っている。鍵盤ハーモニカ演奏も時間が長くなっているので簡単には最後まで続かなく苦戦している子も多い。HaさんとSaさんも同様で登園してからも二人で合わせて練習していた。
Saさんが「園長先生聞いて」と二人で事務室に入って演奏を始めた。目で合図をしながら始めたが、時々止まると、「私が止まったらそこで待っててまたやろう」と何度も挑戦してどうにか最後まで演奏しきると「また聞いてね」と満足そうに出ていった。